コモンズ(共有地)の悲劇を超えて

2015年07月26日 17:02

 「コモンズ(共有地)の悲劇(The tragedy of the commons)」という言葉があります。
・「共有地の悲劇」とは、1968年に生物学者ギャレット・ハーディンが雑誌「サイエンス」に掲載したモデルのことである。
・このモデルは、Dawesによって1975年にゲーム理論として定式化され、社会的ジレンマ、特に環境問題を言及するときに頻繁に取り上げられる。
・ある集合体の中で、メンバー全員が協力的行動をとっていれば、メンバー全員にメリットがあった。しかしそれぞれが合理的判断の下、利己的に行動する非協力状態になってしまった結果、誰にとってもデメリットになってしまうことを示唆したモデルである。
・(例)
ある共有の牧草地があり、5人の村人がそれぞれ20頭ずつ羊を飼っている。ここには羊100頭分の牧草しかなく、それが守られていれば、村人みんなが牧草地の恩恵に預かれる。また、この羊は1頭100万円で取引され、羊が1頭この牧草地に増えることにより餌となる牧草が減り、栄養不足のため99万円で取引される。以後、1頭増える度に、1万円ずつ取引価格は下がっていく。(初期の村人一人の取引高は2000万円)
合理的な村人は、自分の効用(利益)を最大限に高めたいと考える。村人にとって、羊を減らしたり、現状数を維持するより、増やしたほうが自分にメリットがあると考える。そこで村人Aはもう1頭羊を放牧した。結果、村人Aは2079万円の利益を得た(羊21頭×99万円)。他4人の村人は、1980万円と取引高が減った(羊20頭×99万円)。
それを見た周りの村人も自分の効用を最大限に高めたいという合理的な考えの下、それぞれが自由に羊を共有地に放し始めた。結果として、牧草地が荒れ果て誰にとっても使えないものになってしまった。
加えて、自由に放牧した場合の総利益は最適に管理された状況での総利益よりも少なくなってしまう。例えば、5人全員が1頭ずつ羊を増やした場合、一人当たり1995万円(羊21頭×95万円)となり、適正に管理をしていたときに受け取れる利益2000万円(羊20頭×100万円)より少なくなってしまう。
また、全体の利益を考えても、最適な管理下での総利益は1億円(羊20頭×100万円×5人)であったはずが、自由な放牧下では、9975万円(羊21頭×95万円×5人)と、こちらも減少する。
・周りと協力すれば誰にとってもいい結果であったものが、自らの利益追求図ろうとしたため、最終的には誰にとっても悪い結果になってしまうことを意味している。 (以上「コトバンク」より)

 ワークショップを含めてLEC札幌本校の2次試験対策はいわば「共有地」です。本番の面接、国家一般職の業務説明会・官庁訪問の度ごとに引き続き再現シートのご提出をお願いいたします。皆さんの協力的な意思のおかげで、2次試験データベースとして豊かなものになり、皆さんの使い勝手がますます良くなるという好循環を引き続きつくっていけたらと思います☆
 結果的にどの職種を選ばれるにせよ「論理的に話す」「元気に話す」「相手の立場にたって話す」・・・という技術的なことだけでなく、「情報交換できる人脈を築く」「情報収集して分析する」「調べる」「足で稼ぐ」といった今回の作業全体が、将来にきっと役立つはずです。「試験に受かる」程度のちゃちな2次対策講座にはしないようにつくっているつもりです。

LEC東京リーガルマインド札幌本校公務員情報センター
総合プロデューサー/専任講師 小堀 学


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